「確定申告の時期が近づいてきたけれど、何から手を付ければいいかわからない」
「会社員だけど、自分は申告が必要なのだろうか?」
毎年この時期になると、そんな不安を抱える方が急増します。
「難しそう」「面倒くさい」というイメージが強い確定申告ですが、実は**「1年間の所得を整理し、払いすぎた税金を取り戻すチャンス」**でもあります。
近年では制度改革が進み、スマホやパソコンを使って自宅からサクッと申告できる仕組みが標準になりつつあります。正しい手順さえ知っていれば、決して恐れるものではありません。
この記事では、初めての方でも迷わず手続きができるよう、2025年(令和6年分)の確定申告のやり方を、基礎から応用まで徹底的に解説します。個人事業主の方はもちろん、医療費控除や副業の申告を考えている会社員の方も、この記事を「手順書」としてご活用ください。
そもそも確定申告とは? 仕組みと「対象者」の確認

作業を始める前に、まずはゴールを設定しましょう。ここを理解しているかどうかで、後の作業効率が劇的に変わります。
確定申告の目的と期間
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間に生じた「所得」と、それに対する「所得税」を計算し、国(税務署)に申告・納税する手続きです。
- 対象期間: 1月1日〜12月31日の所得
- 申告期間: 原則、翌年の2月16日から3月15日まで
- ※2025年の具体的な日程は、土日の並びにより国税庁の発表を確認してください。
- ※還付申告(税金が戻ってくる申告)は、1月から先行して行うことが可能です。
あなたは対象?「確定申告のやり方」を覚えるべき人
「会社員だから年末調整で終わっている」と思っていても、実は申告義務があったり、申告しないと損をしたりするケースがあります。以下のチェックリストで確認しましょう。
1. 必ず確定申告が必要な人(義務)
これらに該当するにも関わらず申告しないと「脱税(無申告)」となるリスクがあります。
- 個人事業主・フリーランスで、年間の所得(売上-経費)が48万円を超える人
- 給与収入が2,000万円を超える会社員
- 副業の所得が年間20万円を超える会社員
- 2か所以上から給与をもらっている人
- 公的年金等の収入が400万円を超える人 など
2. 確定申告をすると税金が戻ってくる可能性がある人(権利)
義務はありませんが、申告することで払いすぎた税金が還付されるケースです。
- 年間の医療費が10万円(または総所得金額等の5%)を超えた人(医療費控除)
- ふるさと納税を行い、ワンストップ特例制度を利用していない(または期限に間に合わなかった)人
- 住宅ローンを組んでマイホームを購入・リフォームした人(住宅ローン控除 ※初年度は必須)
- 年の途中で退職し、再就職しておらず年末調整を受けていない人
【5ステップで完了】初心者向け・確定申告のやり方フローチャート

全体の流れは以下の5ステップです。この手順通りに進めれば、迷子になることはありません。
- 必要書類と情報の準備
- 申告方式の選択(青色・白色)
- 申告書の作成(帳簿付け・決算)
- 税務署への提出(e-Tax推奨)
- 納税または還付金の受取
それぞれのステップを詳しく解説します。
ステップ1:準備が8割! 必要書類を揃える
申告書作成の途中で「あの書類がない!」と慌てないよう、事前にデスクに揃えておきましょう。
1. 本人確認書類
- マイナンバーカードがある場合: カード1枚でOK(スマホ申告・e-Taxには必須です)。
- ない場合: 「通知カード + 写真付き身分証明書(免許証など)」のセットが必要です。
2. 所得を証明する書類
- 会社員・パート: 源泉徴収票(原本またはデータ)。
- 個人事業主: 請求書、領収書、通帳のコピー、売上台帳など(これらを基に決算書を作ります)。
3. 控除証明書(税金を安くするための書類)
- 医療費控除: 医療費控除の明細書(領収書の提出は不要ですが、自宅で5年間保存する義務があります)。
- 社会保険料控除: 国民年金や国民健康保険の支払証明書。
- 生命保険・地震保険: 保険会社から届く控除証明ハガキ。
- 寄附金控除: ふるさと納税の受領証明書。
4. 銀行口座情報
- 還付金を受け取るための本人名義の口座情報。
ステップ2:青色申告と白色申告の違い
個人事業主の場合、申告方法は大きく分けて2つあります。
| 特徴 | 青色申告 | 白色申告 |
| 帳簿 | 複式簿記(少し複雑) | 単式簿記(お小遣い帳レベル) |
| 事前申請 | 必要(開業届とセット等) | 不要 |
| 特別控除 | 最大65万円 | なし |
| 赤字繰越 | 3年間可能 | 不可 |
| おすすめ | 節税したい人向け | とにかく手軽に済ませたい人向け |
ポイント:
青色申告は事前の届出(原則3月15日まで)が必要です。まだ出していない場合は今回は白色申告になりますが、節税効果が大きいため、来年に向けて届出を出しておくことを強くおすすめします。
ステップ3:効率化の鍵! 会計ソフトを活用した作成
手書きでの計算はミスのもとです。現在は以下のツールを使うのが一般的です。
1. クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワード等)
銀行口座やクレカと連携し、明細を自動取込・仕訳できます。簿記の知識がなくても「消耗品費」「旅費交通費」などを選ぶだけで帳簿が完成します。インボイス制度などの法改正にも自動対応しているため、個人事業主には必須のツールです。
2. 国税庁「確定申告書等作成コーナー」
国税庁の無料Webツールです。画面の案内に従って金額を入力すると、申告書が自動作成されます。会社員の医療費控除や、取引の少ない白色申告の方に向いています。
ステップ4:自宅から送信! e-Tax(電子申告)のやり方
作成した申告書の提出方法は「持参」「郵送」「e-Tax」の3つですが、メリットが圧倒的に多いe-Taxを利用しましょう。
e-Taxのメリット
- 24時間提出可能: 期間中は土日・深夜もOK。
- 添付書類の省略: 一部の証明書提出をカットできます。
- 還付が早い: 書面提出より早く(2〜3週間程度)振り込まれます。
- 青色申告の最大控除要件: 65万円控除を受けるにはe-Tax(または電子帳簿保存)が必須です。

スマホ × マイナンバーカードでの申告手順
- スマホに「マイナポータル」アプリを入れる。
- マイナンバーカードを読み取り、ログイン。
- 国税庁サイトと連携し、ガイダンスに従ってデータを入力・送信。
- 最後に電子署名をして完了。
副業の方や医療費控除のみであれば、PCを開かずともスマホだけで完結します。
ステップ5:納税と還付確認
「送信完了」が表示されても油断は禁物です。
- 税金を払う場合: 3月15日までに納付します。
- おすすめは「振替納税(口座引き落とし)」。引き落とし日が4月中旬になるため、資金繰りに余裕ができます。その他、スマホ決済やクレカ納付も可能です。
- 税金が戻る場合:
- 1ヶ月〜1ヶ月半(e-Taxならもっと早い)で指定口座に振り込まれます。「国税還付金振込通知書」というハガキが届くので確認しましょう。
会社員必見! 医療費控除と副業のポイント
医療費控除の効率的なやり方
自分だけでなく「生計を一にする家族」の分も合算できます。
- 対象: 診療費、薬代、通院交通費(電車・バス)など。
- 対象外: 予防接種、健康診断(病気が見つかれば対象)、美容整形、ガソリン代など。
【時短テクニック】
マイナンバーカードと健康保険証を紐付け、「マイナポータル連携」を利用しましょう。医療費通知情報が自動で申告書に反映されるため、領収書を一枚ずつ入力する手間がなくなります(※反映されない医療費のみ手入力でOK)。
副業会社員の注意点(20万円の壁と住民税)
「副業所得が20万円以下なら確定申告不要」とよく言われますが、これは所得税(国税)の話です。
- 所得税: 所得20万円以下なら申告不要。
- 住民税: 1円でも所得があれば市区町村へ申告が必要。
これを忘れると「住民税の無申告」になってしまいます。
また、会社に副業を知られたくない場合は、確定申告書の第二表「住民税・事業税に関する事項」で、納付方法を**「自分で納付(普通徴収)」**にチェックを入れる対策が有効です(※100%バレない保証ではありません)。
インボイス制度導入後の変化(2025年申告の注意点)
インボイス登録をして「課税事業者」になった個人事業主の方は、所得税だけでなく**「消費税の確定申告」**も必要です。
- 2割特例: 免税事業者からインボイス登録で課税事業者になった場合、売上の消費税額の「2割」を納めれば良い特例があります。
- 期限: 消費税の申告期限は3月31日ですが、忘れないよう所得税と同時に済ませるのがベストです。
よくある間違いQ&A:失敗しないために
Q1. 領収書をなくしてしまいました。経費にできませんか?
原則は領収書が必要ですが、クレカの利用明細や銀行の出金記録、メールの決済通知などが証拠になる場合もあります。どうしてもない場合は、日時・支払先・内容・金額を書いた「出金伝票」を残すことで認められることもあります(多用は厳禁)。
Q2. 期限を過ぎてしまったら?
1日でも早く申告してください。期限を過ぎると「無申告加算税」などのペナルティが発生するほか、青色申告の65万円控除が適用されなくなる(10万円に減額)という大きなデメリットがあります。
Q3. 経費はどこまで認められますか?
基準は「売上を作るために必要な支出か」です。自宅兼事務所の家賃や光熱費は、事業で使用している割合(面積や時間)で計算する「家事按分(かじあんぶん)」を行えば経費計上可能です。
まとめ:早めの準備が「安心」と「節税」を生む
確定申告は、単なる納税作業ではなく、1年間のビジネスや家計の成果を振り返る大切な機会です。
【今回の重要ポイント】
- 準備: マイナンバーカードと必要書類を早めに集める。
- ツール: 会計ソフトやマイナポータル連携で入力を自動化する。
- 提出: e-Tax(スマホ申告)で65万円控除や早期還付を狙う。
- 注意: 副業でも住民税の申告は必須。
初めての申告は緊張するかもしれませんが、この記事の手順に沿って一つずつ進めれば確実に完了できます。
期限ギリギリになって焦らないよう、まずは**「マイナポータルアプリにログインしてみる」「領収書を月別に分ける」**といった小さな一歩から始めてみましょう。
正しい知識と準備で、2025年の確定申告をスマートに乗り切ってください。
【免責事項】
※本記事は2025年(令和7年)時点の税制および国税庁の情報を基に作成しています。個別の税務判断については、必ず国税庁公式サイトで最新情報を確認するか、税理士等の専門家にご相談ください。



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